2019年09月02日

おもてなし、新旧コラボのチカラ

 今年の夏休みは2日間、京都で五山の送り火を堪能しました。年々、観光客が増えて混雑しているという送り火ですが、今回は鴨川の畔でホテルの部屋から「大」の字が眺められる特別プランでした。

 午後8時に点灯が始まると、漆黒の東山に、ぼーっと「大」の字が浮かび上がります。大文字の火床は80m160m120mの長さに計75箇所も! 大谷石の上に薪で井桁を組んで、割木と松葉に点灯するそうで、火元の方は相当な熱気を浴びることでしょう。

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 どんなに天候不順でも毎年送り火の日は晴れるそうで、今年も前日に凄まじい台風が通り過ぎましたが、当日には雨風がピタリと止み、神がかったような夜でした。美しく、幻想的な点灯時間は30分ほどでしたが、穏やかに先祖送りができました。


 もう一泊は俵屋旅館へ、古くは伊藤弘文ら明治の大物、近年ではスティーブ・ジョブズやハリウッドの名優たちも乗客に名を連ねる名宿です。さりげなく季節の名画と調度品が飾られ、客室は数寄屋造り。大きなガラス窓は曇り一つなく磨き込まれて、打ち水をした坪庭が眺められます。書き物机の椅子は座り心地の良さから「ベンツ椅子」と呼ばれ、珍しく手紙でも書きたくなります。

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侘び寂びを感じさせる落ち着いた客室ですが、wi-fi環境もきちんと整備されています。これもインバウンドの常識!

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鮭にたまごにお味噌汁、正しい日本の朝食です。湯豆腐桶は中に炭が仕込めるもの。今では作る職人が減っているそうです。


 部屋には高野槙のお風呂が備え付けられ、井戸水を汲み上げて沸かした湯は柔らかく、湯あたりしないそう。

 賑やかな街中とは思えないほど、ひっそりとした空間は、派手さこそないけれど、人の手をかけたおもてなしが其処此処に感じられます

 数年前に宿泊したときは、常連ではない客への微かな冷たさが感じられましたが、今回は番頭さんのお出迎えから、女将や中居さんの細やかな対応まで、まるで違った温かさを感じました。我慢できずに「インバウンドの影響?」と尋ねたところ、数年前に代替わりをしたそうで、300年の伝統を持つ老舗旅館でも、おもてなしのイノベーションを進めているのですね。


 京都は外資のホテルが増えて、星野リゾートの台頭もあり、老舗といえども時代の荒波に揉まれているはず。増え続ける外国人客に「わかりやすいサービス」を提供しつつ、京都の老舗にしかできないおもてなしをいかに伝えるかが勝負のしどころでしょう。

 長く続く商売に必要なのは、守りながらの攻めです。ふるさだけでは続かず、目新しいだけでもダメ、新旧のコラボレーションが伝統を息づかせるのだと実感した夏休みでした。



9月のON
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posted by 古谷 治子 at 16:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする