女性管理職の背中を押すものは……?
秋は管理職研修が多く、この10月も全国信用金庫協会(全信協)や地銀での女性管理職研修が続きます。早いもので、全信協の女性キャリア研修を担当してもう10年以上。今年はコロナ禍で参加人数は減るものの、全国から各支点の期待を背負った女性たちが千葉の研修所にやって来ます。
帝国データバンクがこの夏に実施した調査では、女性管理職の割合は平均8.9%。女性の母体が多い小売、不動産、金融業では増加が見られるものの業種による差はまだまだ大きく、政府目標である30%台にはほど遠い現状です。
女性の側も責任や数字を背負ってまで役職に就きたくないと考える人が多く、昇進意欲は男女で大きな差が出ています。
また、派遣会社アデコ や三菱UFJリサーチのデータを見ると、女性が管理職になろうと思った理由は、「より高い収入が得られるから」「仕事内容にやりがいを感じるから」に加えて、上司からの働きかけをあげる割合が男性よりも多く、上から背中を押されて初めて昇進について考える傾向があります。
今の時代は、女性は、男性はという表現が憚れますが、概して女性は変化に対して一歩引いてしまいがちです。
今回の全信協研修の事前アンケートを見ても、「管理職として自分が務まるか不安」「期待に応えなければという思いが空回りしてしまう」「部下に適切なアドバイスができないのではと思う」「経験のない仕事で判断に困る」など、迷いの言葉が多く聞かれました。
参加者は20代後半から50代で、今の役職について3ヶ月から6年と幅はありますが、数字と責任を背負うことに対しての不安は切実なものがあります。
また、時代が激変する中、「部署の方向性が明確でなく行動に迷いが生じる」「収益が見えにくい中で部下のモチベーションをどう維持させるのかわからない」との声もあり、これらは経営陣に対する重要なメッセージだと感じました。
経営側は政府目標に対して女性の管理職登用を急ぎがちですが、形だけでは続かないし成果も上がりません。
大切なのは、部下を動かしチームで仕事を達成する喜びを積み重ねてマネジメントに対する実感を持たせること。自信とはやってきたことの積み重ねであり、経験を積み重ねて生まれてくるものです。
また「管理職になるならこうでありたい」と思わせる頼れる上司のロールモデルも必須です。課題にどう向き合うか、部下にどう声がけし、周囲を巻き込むか、女性管理職を育てるなら、管理職としての見本を具体的に見せることも重要です。
私も女性リーダー研修では自らの体験をお伝えしながら、自らの強みでどう勝負するか、業務マネジメントと人マネジメント、人を動かすコミュニケーションなどメンタルとスキルの両面から次代を担う女性を応援し続けています。
日本の女性管理職登用はまだまだ駆け出したばかり。まずは「管理職10人のうち1人が女性」の10%を目指して、全力で各企業の取組をサポートして参ります。
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注目は、東京タワーに隣接するあのホテルです
緊急事態宣言解除され外食を再開、馴染みの店にどうやって苦境をしのいでいるかを聞きたくて出かけています。
そんな中、注目しているのは芝パークホテル。創業73年の歴史あるホテルで、昨秋より着々とリニューアルを進めています。
1階部分はライブラリーを備えたラウンジとなり、レストランは和洋中華の3種類をミックスしたダイニングに変身。さらにこの秋冬には、宴会場や客室の改装も完成するとか。何より、ソフト面を充実に力を入れているようで、スタッフの動きは無駄がなくきめ細やかで、訪れるたびに目の肥えたお客が増えているように感じます。
聞けば昨冬より、「人を持てない道を極める」という理念を掲げて、働き方改革を進めているとか。飲食業界同様、ホテルもかなり苦しいとは思いますが、ご近所さんが頑張ってくれているのは嬉しい。これからが楽しみです。
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