会社も自宅も、駅から徒歩圏内。都会の真ん中で暮らしていると、ひと月もあっと言う間で、季節を感じる瞬間が少なくなります。
そこで2年前、自宅マンションのベランダに小さな庭を作りました。
石を敷き詰めて、小さな灯篭も置いて、なんや京都みたいでっしゃろ(笑)
ちょうど寝室の横あたり。
一年中、緑と花が楽しめるように、季節の花々を植えています。
春には桜がちらちら、初夏にはツツジ、梅雨時には青と紫のあじさいがしっとりと咲いていました。お盆を過ぎたら、曼珠沙華の赤色がまぶしい。
そして、もうすぐ秋の色、萩の花が咲き始めます。
独立して会社をおこしてから、ずっと走りっぱなし。途切れることのない緊張感を花々がほぐしてくれます。
毎朝5時すぎ、猫に起こされて、季節の花が開いているのを見つけると、新しい時間が始まっているんだなと、うれしくなります。
夜は灯篭の光にぼんやり照らされた緑を眺めながら、「今日もお疲れ〜」と、自分に声をかけながらベッドに入ります。
この一瞬がとても大事な時間です。
数年前から心にとめている禅の言葉、「一大事」。
これは、道元禅師の「生を明らめ 死を明らむるは、仏家一大事の因縁なり」という言葉からきたもので、人の一生において、無駄にできる時間はない、「このひとときを大切にしなさい」という意味です。
年齢をかさねてきて初めて、心底響いた言葉です。
この時間を大切に、人生一生「一大事」。
緑が芽吹き、花ががんばって咲いている。ワタシもがんばろう! しっかり生きなさいよ! と、自分で自分を励ましているのです(笑)