まず私から、女性の登用と部下指導について、意識改革が難しい、いわいる粘土層と呼ばれる管理職の意識と行動の在り方についてお話しました。
第二部は、ゲスト講演。女性活躍の成功事例として、フランスベッド株式会社の人材開発課 課長にご登壇いただきました。
フランスベッドさんは日本のベッドの歴史と共に歩み、2000年に創業50周年を迎えられた会社です。
女性活躍を掲げたのは3年前、当初はどこも同じのインポスター症候群で、管理職になりたくないという女性が6割でした。
それが今は、管理職希望の女性が6割と逆転してきた。このカギはやはり風土改革です。
ベッドのような大きな家具を扱う会社であり、創業当初から男性が主流、女性は研修も会議にも出席しないのが当たり前で、誰も疑問に思っていなかった。
それが社長の鶴の一声で、時代と共に風土を変えようと、改革が始まりました。いまは高級ベッドだけの時代ではなく、介護用品や医療ベッドなどホームケア商品にも大きな注目が集まっています。
そんなときに光るのが、女性目線です。少しでも楽に扱える介護ベッド、転ばない車椅子など商品をどう改良するか、どう打ち出すかなど、女性の細かい気配りやアイデアを積極的に取り入れていったそうです。
考えてみれば介護する側やヘルパーさんは女性も多く、同じ目線で提案される方が説得力が増しますね。
こうして意見を求められれば、女性も奮起する、回りの男性陣も、自分たちにはないアイデアで女性に期待する。
フランスベッドさんだけではなく、男女一緒に研修の機会を設けると、案外、男性側の方が、女性の飲み込み早さやスピードを見直すケースが多いようです。
男性も女性も、お互いの長所を発揮する環境を作るには、なぜ女性活躍を進めるのかという根本を見直し、その「WHY」に即して、自社と時代をすり合わせること。アイデアが生きる、“埋もれた穴”を見つけていくべきです。
単に、「女性を登用しよう」では進まない。どこにチャンスがあるかの、カギを発掘するところからがスタートだとも思います。
フランスベッドさんはとてもいい事例です。が、女性活躍はまだまだこれから! 女性社長の私としても、今後も様々な成功事例を紹介して、ヒントを提供していきたいと思っています。